温泉分析書とかによく書いてある「炭酸水素塩泉」ってなんだろう?
と思ったことはありませんか?
今回は「炭酸水素塩泉」がどんな温泉かについて紹介したいと思います。
なんとなく温泉に入浴するのと、温泉を理解してから入浴するのとでは、後者の方がプラシーボ効果もあって、より気持ちよく温泉を味わうことができますよ!
「炭酸水素塩泉」とは
温泉1kg中の溶存物質(ガス性のものを除く)が1,000mg以上で、陰イオンの主成分が炭酸水素イオンの温泉のことをいいます。
「炭酸水素塩泉」の特徴~美肌や鎮静効果あり~
炭酸水素塩泉は大きく2種類に分けられます。
ひとつは重曹泉ともいわれるナトリウムイオンを含む温泉で、皮膚をなめらかにする作用と皮脂や分泌物を乳化して洗い流す作用があるため、つるつる美肌・美白の効果があり「美人の湯」とされるほか、皮膚病や火傷、切り傷にもよいとされます。
もうひとつは重炭酸土類泉ともいわれるカルシウムおよびマグネシウムイオンを含む温泉で、痙攣や炎症を抑える鎮静効果があり、アレルギー疾患や皮膚病にもよいとされます。
美肌や鎮静効果のある炭酸水素塩泉ですが、湯上りには皮膚からの水分の発散が盛んになるため、清涼感を感じられるのですが、乾燥しやすいということでもあるため、湯上りの乾燥対策が望ましいです。
また、飲用することで胃酸の中和による逆流性食道炎や胃十二指腸潰瘍への効果のほか、
胃の活動を促進することができ、慢性胃炎や胃の排泄に効果があるとされます。
「炭酸水素塩泉」の適応症
・浴用の一般適応症(どの温泉でも共通の適応症)
筋肉・関節の慢性的な痛みやこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下、軽症高血圧、糖尿病、軽いコレステロール血症、軽い喘息または肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進
★泉質別適応症(炭酸水素塩泉ならではの適応症)
きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症
「炭酸水素塩泉」の代表的な温泉
東鳴子温泉(宮城県)、笹倉温泉(新潟県)、星野温泉(長野県)、蒲田温泉(東京都)、平湯温泉(岐阜県)、龍神温泉(和歌山県)、湯村温泉(兵庫県)、嬉野温泉(佐賀県)、島原温泉(長崎県)、別府温泉(大分県)、妙見温泉(鹿児島県)など
「炭酸水素塩泉」はこんな人におすすめ!
・美肌の湯に行きたい(重曹泉)
・肌トラブルに悩んでいる(重炭酸土類泉)
・刺激の強い温泉は苦手
・複数の温泉を巡りたい(最初の1軒目によい)
「炭酸水素塩泉」まとめ
炭酸水素塩泉は塩化物泉とは少し異なる塩分を多く含んだ温泉で、美肌効果や鎮静効果が期待される「肌思い」ともいえる温泉です。
湯上りにはさっぱりしやすい反面、乾燥しやすくもあるので、乾燥対策をしておくのが望ましいです。
はしご湯をするときには、保湿効果のある塩化物泉や硫酸塩泉を、炭酸水素塩泉の後に仕上げとして入浴するのが理想的ですね!とことん美肌になることでしょう!
炭酸水素塩泉は全国でも比較的多く存在する温泉なので気軽に立ち寄ってみましょう。
※参考:温泉ソムリエテキスト
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