温泉分析書とかによく書いてある「塩化物泉」ってなんだろう?塩水?
と思ったことはありませんか?
今回は「塩化物泉」がどんな温泉かについて紹介したいと思います。
なんとなく温泉に入浴するのと、温泉を理解してから入浴するのとでは、後者の方がプラシーボ効果もあって、より気持ちよく温泉を味わうことができますよ!
塩化物泉とは
3種ある「塩類泉」のひとつで、温泉1kg中の溶存物質(ガス性のものを除く)が1,000mg以上で、陰イオンの主成分が塩化物イオンの温泉のことを言います。
名前の通り塩分を多く含んでいる温泉のことです。
「塩化物泉」の特徴~保湿効果大!冷え性や乾燥肌に最適~
入浴中も入浴後もとにかく温か~い温泉です。
塩化物泉は入浴すると皮膚の成分と塩の成分が結びついて皮膜が形成され、高い保湿効果があります。とても温まりやすいうえに、保湿効果は長く続くので湯冷めや乾燥もしにくい特徴から「熱の湯」と表現されることもある温泉です。「塩のパック」で肌が温かく守られているようなイメージですね。
塩化物泉のコーティング効果は、角質が落ちて美肌となる硫黄泉やアルカリ性の温泉などの湯上りに乾燥しやすい点をカバーできるので、温泉を「はしご」をする際の最後の「仕上げ湯」で「美人の仕上げ」として最適です!
また、塩分の殺菌作用により、きりきずにも効くとされています。
ちなみに温泉で有名な大分県の「別府」は、明礬温泉(硫黄泉・美人の湯)→鉄輪温泉(塩化物泉・保湿)という完璧なはしご湯で、最高峰の肌ツヤを体感することができる奇跡の温泉地です!
(明礬→鉄輪のはしご湯は私のルーティンのひとつです♪)
近年の温泉掘削技術の発達もあり、単純温泉と並んで日本で最も多い泉質の温泉です。
そのため、温泉地に限らず海に近い都市部を含めた全国のあらゆるエリアで楽しむことができるのも特徴です。
「塩化物泉」の適応症
・浴用の一般適応症(どの温泉でも共通の適応症)
筋肉・関節の慢性的な痛みやこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下、軽症高血圧、糖尿病、軽いコレステロール血症、軽い喘息または肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進
★泉質別適応症(塩化物泉ならではの適応症)
きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
「塩化物泉」の代表的な温泉
定山渓温泉(北海道)、秋保温泉(宮城県)、塩原温泉(栃木県)、喜連川温泉(栃木県)、貝掛温泉(新潟県)、熱海温泉(静岡県)、城崎温泉(兵庫県)、杖立温泉(熊本県)、鉄輪温泉(大分県)、指宿温泉(鹿児島県)
※著名な温泉を中心に私が訪れたことのある温泉を記載しています
「塩化物泉」はこんな人におすすめ!
・乾燥肌なのでしっとりした温泉に入りたい
・湯冷めが心配
・寒がり、冷え性で冬場はつらい
・とにかくじっくり温まりたい
・複数の温泉を巡りたい(仕上げに最適)
「塩化物泉」まとめ
塩化物泉はその名の通り塩分を多く含んだ温泉で、温まりやすく湯冷めしにくい、高い保湿効果があることから、冷え性や乾燥肌の人にとっては特に嬉しい温泉です。
はしご湯をするときの仕上げの温泉としても最適で、硫黄泉などと組み合わせて入浴すると抜群の肌ツヤを実感することができます。
掘削技術の進歩により、塩化物泉は全国でも数多くありますので、身も心も温まりたいあなたは早速「塩化物泉」へ出かけてみましょう!
※参考:温泉ソムリエテキスト
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