温泉分析書とかによく書いてある「単純温泉」「アルカリ性単純温泉」ってなんだろう?
そう思ったことはありませんか?
今回は「単純温泉」とはどんな温泉かについて紹介したいと思います。
なんとなく温泉に入浴するのと、温泉を理解してから入浴するのとでは、後者の方がプラシーボ効果もあって、より気持ちよく温泉を味わうことができますよ!
単純温泉とは
成分が単純な温泉、、、ではなく、含有成分の量が一定値に達していない温泉(温泉水1kg中に溶存物質量1,000mg未満で25℃以上)のことをいいます。塩化物泉などの○○泉とつく温泉は特定の成分が規定値以上含まれていますが、単純温泉はそれに満たない薄めの温泉といえます。
また、「単純泉」と記されることもあります。
「単純温泉」の特徴 やさしい温泉
含有成分が少ないから価値の低い温泉か、というとそんなことはありません。
単純温泉ならではの特徴・価値があるのです。
単純温泉は成分が少なくて薄めということは刺激も少ないため、皮膚がデリケートな子供や高齢者も含めて万人に向いている「湯あたりしにくい」「優しい」「安心」な温泉です。
通常、温泉に入浴すると疲労感を感じますが、単純温泉の疲労感は比較的軽くて心地よささえ感じる程よさがあります。まさにいい湯加減といえるでしょう。
薄めであるといっても、入浴剤を入れた家庭用のお風呂以上の成分量を含んでいることがほとんどで、基準値に満たないものの成分量によっては「塩化物泉」などの成分を冠する温泉に近いものもあります。
近年の温泉掘削技術の発達もあり、塩化物泉と並んで日本で最も多い泉質の温泉です。
そのため、温泉地でなくても全国のあらゆるエリアで楽しむことができるのも特徴です。
「アルカリ性単純温泉」の特徴 美人・美肌の湯 ぬるぬる感もあり
「弱アルカリ性単純温泉」はph値7.5以上、「アルカリ性単純温泉」はph値8.5以上のアルカリ性を示す単純温泉です。(ちなみに人間の肌の表面は、pH4.5~6.0の弱酸性です)
(弱)アルカリ性単純温泉は肌の角質をとる美肌・美白効果があります。
湯船の中で身体をさすると「つるつる」とした感覚があったり、ph値がより高いと「ぬるぬる」を感じることができる温泉です。
ただし、角質を落とすぶん湯上りには少し乾燥しやすくもあるので、化粧水や乳液で保湿のケアをするのがおすすめです。
「単純温泉」の適応症
●浴用の一般適応症(どの温泉でも共通の適応症)
筋肉・関節の慢性的な痛みやこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下、軽症高血圧、糖尿病、軽いコレステロール血症、軽い喘息または肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進
★泉質別適応症(単純温泉ならではの適応症)
自律神経不安定症、不眠症、うつ状態
「単純温泉」の代表的な温泉
花巻温泉(岩手県)、鬼怒川温泉(栃木県)、水上温泉(群馬県)、ほったらかし温泉(山梨県)、箱根湯本温泉(神奈川県)、下呂温泉(岐阜県)、湯田温泉(山口県)、道後温泉(愛媛県)、武雄温泉(佐賀県)、天ケ瀬温泉(大分県)、由布院温泉(大分県)、山鹿温泉(熊本県)など全国に多数
※著名な温泉を中心に私が訪れたことのある温泉を記載しています
「単純温泉」はこんな人におすすめ!
・肌が敏感だけど温泉に行きたい
・温泉に行きたいけれど湯疲れや湯あたりが心配
・子供や高齢者が家族にいて負担や刺激の少ない温泉を探している
・温泉に優しく包まれたい…
・近ごろ疲労が溜まって気持ちが不安定だ…
「単純温泉」まとめ
単純温泉は成分が規定値を満たさない薄めの温泉ですが、刺激や負担が少ないため子供から高齢者まで万人に向いている「優しい」温泉です。
(弱)アルカリ性単純温泉であれば、肌の角質を落とす美肌・美白の湯でもあります。
肌や体力に自信がなくても安心して入浴できる温泉で、全国でも多くのエリアにあるので気軽に立ち寄ることができます。
刺激や負担少なめの優しい温泉は疲労回復や憂鬱からの脱出にはとても効果的ですよ。
リラックスしたい!という単純な気持ちで、次の週末にでも単純温泉に出掛けてみませんか?
※参考:温泉ソムリエテキスト
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